「審判の資格って、どうやって取るんだろう」と調べ始めると、講習会や実技試験のイメージが先に立って、身構えてしまうかもしれません。
ですが、最初の1枚であるE級ライセンスは、12歳以上ならオンラインだけで完結し、受講料は1,100円です。日本バスケットボール協会(JBA)は「お申込みから最短1〜2日でE級ライセンスを取得することが可能」と案内しています。
この記事では、JBA公式サイトで公開されている条件・金額・手順をもとに、E級ライセンスの取り方と、取ったあとに必要な手続きまでを1本にまとめます。金額は受講料と登録料に分かれていて、公式サイトでも別ページに掲載されているため、1年目に実際いくらかかるのかを合計で示します。
バスケの審判資格は「JBA公認審判ライセンス」
日本国内でバスケットボールの審判をするための資格は、JBAの審判ライセンス制度にもとづくJBA公認審判ライセンスです。S級からE級までの6段階に分かれています。
このうち、知識や経験がない状態から最初に取得できるのはE級・D級・C級の3つです。B級より上は、下位ライセンスの保有と推薦が前提になります。
| ライセンス | 主に担当する試合 | 取得の入口 |
|---|---|---|
| E級 | 地区・カテゴリーの大会 | eラーニングのみ(実技講習なし) |
| D級 | 地区・カテゴリーの大会 | 都道府県協会の実技講習会+eラーニング |
| C級 | 都道府県大会 | 日頃の審判活動実績をもとに、地区やカテゴリー等からの推薦を経て実技講習会へ |
| B級 | — | C級保有+推薦 |
| A級 | — | B級保有+都道府県協会の推薦(満50歳未満) |
| S級 | — | A級保有+ブロック推薦(満50歳未満) |
出典:JBA「審判員になるには」/JBA「審判ライセンスの取得、昇格講習会」
大会によって、必要な審判ライセンスが主催者から指定されることがあります。「どこまでの試合を吹きたいか」で必要な級が変わるため、まずは自分が関わる大会のカテゴリーを確認しておくと迷いません。
E級ライセンスは12歳以上なら誰でも申し込める
E級の受験条件は12歳以上(小学生不可)です。この年齢は受講年度の4月1日現在で判定されます。E級・D級・C級に共通する条件で、それ以外の資格要件はありません。
つまり、中学1年生になった段階で、プレーしながら審判ライセンスを取ることができます。部活の中学生でも、子どもの試合で笛を持つことになった保護者でも、入口は同じです。
E級がほかの級と大きく違うのは、実技講習会がないことです。D級・C級は都道府県協会が開催する実技講習会への参加が必要ですが、E級は講義とルールテストをすべてオンラインのeラーニングで受けられます。会場に行く必要も、日程を待つ必要もありません。
「審判に興味はあるけれど、いきなり体育館の講習会に申し込むのは気が重い」という場合、E級は現実的な最初の一歩になります。
E級の費用|1年目にかかるのは合計いくら
費用は受講料と登録料の2つに分かれます。この2つはJBA公式サイトでも別のページに掲載されているため、合計額が分かりにくくなっています。
E級の場合、1年目に必要な金額は次のとおりです。
| 内訳 | 一般(18歳以上) | U18(18歳未満) |
|---|---|---|
| eラーニング受講料 | 1,100円 | 1,100円 |
| 基本登録料(年間) | 1,500円 | 1,000円 |
| 都道府県協会登録料(年間) | 1,000円 | 無料 |
| 1年目の合計 | 3,600円 | 2,100円 |
| 2年目以降|更新講習のない年度(登録料のみ) | 2,500円 | 1,000円 |
| 2年目以降|更新講習のある年度(登録料+更新講習受講料1,100円) | 3,600円 | 2,100円 |
出典:JBA「ライセンス取得講習会 受講料」/JBA「審判の登録について」/JBA「審判ライセンスを更新したい」
一般・U18の区分は、当該年度開始日(4月1日現在)で18歳以上かどうかで判定されます。JBAは「U18世代のルールの理解促進、ライセンス取得推奨のため、B級以下のライセンス受講料、登録料を一般の方よりも低く設定」していると説明しています。中学生・高校生のうちに取るほうが、金銭的な負担は小さくなります。
申し込む前に知っておきたい点が3つあります。
- 登録手続きを完了しないと、ライセンスは有効になりません。eラーニングに合格しただけでは審判として活動できず、登録料の納付まで済ませて「登録完了」です。
- 受講料の支払い後の返金はできません。受講期間内に修了できず再受講する場合は、あらためて受講料がかかります。
- 支払いのたびに、システム利用料(支払手数料)として税込300円がかかります。上の表には含めていません。
なお、参考までに上位ライセンスの受講料は、D級・C級が合計3,300円(U18は1,100円)、B級が5,500円(U18は1,100円)、A級7,700円、S級22,000円です。
E級ライセンス取得までの4ステップ
手続きはすべて、JBAの会員登録管理システム「TeamJBA」上で進みます。
- TeamJBAでメンバー登録を行う
申込・受講・登録のすべてがこのシステムを通るため、まずアカウントが必要です。 - 「E級新規取得eラーニング」に申し込み、受講料を支払う
申込受付期間は例年4月1日からで、年明けに締め切られます。締切日は年度ごとに案内されるため、申し込む年度の最新情報を公式サイトで確認してください。 - eラーニングを受講し、ルールテストに合格する
合格条件は、講義スライドを100%視聴すること、ルールテストで80点以上を取ること、アンケートを提出することの3つです。受講できる期間は申込完了日から30日間で、期間内なら繰り返し学習でき、テストの再受講もできます。 - 登録手続きを行い、登録料を納付する
入金が確認されると「登録完了」となり、PDF登録証・デジタル登録証を発行できます。JBA公認審判ワッペンは、登録完了日に応じて発送されます。
eラーニングはパソコン・スマートフォン・タブレットのいずれでも受講でき、途中で中断しても続きから再開できます。「最短1〜2日」という案内は、この仕組みが前提です。まとまった時間を作れれば、週末だけで終えることもできます。
審判として立つ日が決まっているなら、足元も先に確認しておくと安心です。審判はプレーヤー以上にコート上を動き続けるポジションで、体育館の床で止まれるソールかどうかが疲労に直結します。選び方はバッシュの選び方を足・サイズ・プレースタイル別にまとめた記事で解説しています。大会によっては審判の服装に指定がある場合があるため、所属する協会の規定もあわせて確認してください。
E級の次|D級・C級へ上がるには
E級を取ったあと、より上のカテゴリーの試合を担当したい場合は、D級・C級へ進みます。3つの級の違いを整理すると、次のようになります。
| E級 | D級 | C級 | |
|---|---|---|---|
| 受験条件 | 12歳以上(小学生不可) | ||
| 受講資格 | ライセンスなし | ライセンスなし/E級 | ライセンスなし/E級/D級 |
| 講習の形式 | eラーニングのみ | 実技+eラーニング | 実技+eラーニング |
| 実技講習会 | なし | 各都道府県単位で開催 | 各都道府県単位で開催 |
| 申込方法 | TeamJBAから直接申込 | TeamJBAから所属都道府県協会主催の実技講習会へ申込 | 日頃の審判活動実績により、地区やカテゴリー等からの推薦を経て申込 |
| 主に担当する試合 | 地区・カテゴリーの大会 | 地区・カテゴリーの大会 | 都道府県大会 |
D級までは自分の意思で申し込めますが、C級からは推薦が前提になります。つまり、C級以上を目指すなら、E級・D級で実際に試合を吹いた実績を重ねることが道筋になります。資格を取ること自体より、地域の大会で笛を持ち続けることのほうが本質的です。
取得後に必要な手続き|有効期間と更新
審判ライセンスは取得して終わりではありません。すべてのライセンスで、毎年度の更新登録が必要です。
登録の有効期間は4月〜翌年3月
登録の有効期間は1年間(4月〜翌年3月)です。年度の途中で登録した場合でも、有効期間はその年度の年度末までとなります。登録手続きを行わない場合、ライセンスは無効となり、年度末で失効します。
1月や2月に取得した場合、その年度の残りは短くなります。急いで取る事情がなければ、年度の前半に申し込むほうが1年分を使い切れます。
E級の更新講習は「西暦奇数年度」
更新に必要な講習の頻度は、級によって異なります。
- S級・A級・B級:毎年度開催される更新講習を受講する。合格すると翌年度の登録が可能になる
- C級・D級・E級:西暦奇数年度に開催される更新講習を受講する。合格すると翌年度・翌々年度の2年度分の登録が可能になる
E級を持っている間は、更新講習が毎年あるわけではありません。ただし、更新講習のない年度でも登録料の納付(更新登録)は毎年必要です。この2つは別の手続きなので、混同しないようにしてください。
更新講習にも受講料がかかります。E級更新講習の受講料は、一般・U18とも1,100円です(eラーニングのみ、実技講習なし)。つまり西暦奇数年度は、登録料に加えてこの分が必要になります。参考までに、更新講習の受講料はD級・C級が合計3,300円(U18は1,100円)、B級が5,500円(U18は1,100円)、A級7,700円、S級33,000円です。
審判ワッペンは初回のみ
審判活動を行う際には、審判ワッペンを常に着用します。ワッペンはそのライセンスの初回登録時に1回だけ送付され、年度ごとの再配布はありません。紛失・破損による再発行は有償で、1,650円(税込)です。
よくある質問
バスケの審判資格は難しいですか?
E級のeラーニングは、講義スライドをすべて視聴し、ルールテストで80点以上を取ることが合格条件です。受講期間である30日間のあいだは、理解できるまで繰り返し学習でき、テストも再受講できます。一発勝負の試験ではないため、時間を確保できるかどうかが実質的なハードルです。
難しさを感じやすいのは、資格を取ったあと、実際に試合で笛を吹く場面です。ルールを知っていることと、動きながら判定することは別の技術になります。
何を勉強すればいいですか?
ルールテストの前提になるのは、競技規則の理解です。バイオレーションとファウルの区別、試合時間とクォーターの扱い、アウトオブバウンズ後の再開方法など、試合中に判断する項目が中心になります。基本的な部分はバスケのルールを試合の流れに沿ってまとめた記事でも整理しているので、eラーニングを申し込む前の下地づくりに使ってください。
小学生でも取れますか?
取れません。受験条件が12歳以上(小学生不可)と定められており、年齢は受講年度の4月1日現在で判定されます。中学生になってからが対象です。
審判で収入を得ることはできますか?
JBA公認審判ライセンスは、就職のための職業資格ではなく、試合を担当するための登録制度です。地区・カテゴリーの大会を担当するE級・D級は、報酬を目的とした活動とは性質が異なります。
一方で、JBAは2017年からJBA公認プロフェッショナルレフェリーの認定を行っており、認定された審判員はB.LEAGUEや天皇杯・皇后杯を中心に活動しています。制度の目的は「国内外で得た知見の還元による国内の審判員の技術向上と標準化」と説明されています。ただし、この段階に至るにはS級ライセンスや国際資格が前提であり、E級からの距離は大きく離れています。
なお、各カテゴリーの審判に支払われる金額については、JBA公式に公表資料が確認できないため、本記事では扱いません。
ライセンスを持っていないと、審判はできませんか?
大会に必要な審判ライセンスは、大会主催者によって指定されることがあります。所属チームの帯同審判として笛を持つ場合も、主催者側の規定が優先されます。自分が関わる大会の要項を確認するのが確実です。
まとめ|1,100円と数日で、バスケの見え方が変わる
E級ライセンスの要点を整理します。
- 受験条件は12歳以上(小学生不可)。中学生から取得できる
- 実技講習会はなく、eラーニングのみで完結。最短1〜2日
- 1年目の費用は一般3,600円/U18 2,100円(別途、支払いのたびにシステム利用料 税込300円)
- 合格条件は講義スライド100%視聴・ルールテスト80点以上・アンケート提出
- 登録しなければライセンスは有効にならない。有効期間は4月〜翌年3月
- E級の更新講習は西暦奇数年度で、受講料は一般・U18とも1,100円。ただし登録料の納付は毎年必要
審判のルールを学ぶことは、笛を吹く人だけのものではありません。どこからがファウルで、どこまでが正当なディフェンスなのかを判定する側から理解すると、プレーヤーとしての選択も、指導するときの説明も変わります。1,100円と数日で手が届く範囲にあるのが、E級ライセンスです。
制度・金額・日程は年度によって変更される可能性があります。申し込む前に、必ずJBA公式サイトの審判ページで最新の案内を確認してください。

