バスケのハンドオフは、味方と近づいてボールを手渡しするプレーです。近いから簡単そうに見えても、二人の手が重なったり、受け手が通り過ぎたりすると、次の攻撃へつながりません。まず渡す役が持ち方を作る→受ける役がボールを確保する→次の動きへ進む順番を、ゆっくり合わせてみましょう。
この記事では、学生・社会人の自主練習やチーム練習で使える、二人の受け渡しから守備一人を加える練習までを扱います。セットオフェンス全体でどこへ組み込むかは、バスケの戦術ガイドも参考にしてください。
渡す役の手は上下、受ける役は横から。ボールを受けたあとに次の動作を始められるかを確認し、受け渡しの速さだけを競わないようにします。練習を始める前に、受ける側と進む方向を二人で共有してください。
ハンドオフとは?止まって渡す形とドリブルから渡す形
FIBA/WABCの用語集は、ボールを持つ選手のそばを味方が通り、手からボールを受け取る動きをハンドオフとして説明しています。渡す選手が止まっている形のほか、ドリブルから停止して渡す形や、二人が動いているドリブルハンドオフにも触れています。出典:FIBA/WABC Coaches Manual「Hand Off」(冊子24ページ)。
遠くの味方へ投げるパスと違い、二人が同じ場所へ近づいて受け渡します。そのため、ボールを出す位置と、受け手がそこへ来るタイミングを合わせる必要があります。最初は渡す側が止まる形で覚え、移動の条件を一つずつ加えましょう。以下の段階づけと修正方法は、公式の基本動作を踏まえたJapan Hoopsの練習案です。
渡す役・受ける役の手と動きを分ける
渡す役:上下から持ち、受け取る横側を空ける
前掲WABC資料は、渡す役が片手をボールの上、もう片手を下に置き、受ける役が横からつかむ持ち方を示しています。二人とも左右から握ると手が重なりやすいため、練習前に静止して手の置き方を確かめます。
受け手が来る前に投げたり、ボールを引っ込めたりせず、受け渡す位置を一定にします。受け手が離れすぎているなら、腕を伸ばして無理に届けるより、通る位置を二人で調整してください。ボールを相手の体へ押しつける動きにはしません。
受ける役:確保してから次の動作へ移る
受ける役は渡す味方の近くを通り、空いている横側からボールを取ります。最初は歩く速さで近づき、確保できたことを二人で確認してから次へ進みます。味方の体だけを見るのではなく、受け渡すボールの位置も見てください。
受け渡しの途中でドリブルやシュート動作を急ぐと、ボールの確保が曖昧になりやすくなります。練習では「手渡しを完了してからドリブル開始」の順を分け、慣れたら間を短くします。受けた直後の足運びやドリブルは、通常のルールと所属チームの指導に従いましょう。
二人練習:静止した受け渡しから移動へ進む
ボール一個を使い、受け手が通った先に十分な空間を取ります。初めはゴールがなくても、受け渡しと次のドリブルまでを確認できます。周囲の利用者や待機者と動線が重ならない場所で行います。
段階1|歩いて受け取り、いったん確認する
- 渡す役が止まり、上下の持ち方でボールを構える。受ける役は通る側を伝える。
- 受ける役が歩いて近づき、横からつかむ。渡す役は受け手が確保する前に手を離さない。
- 受け渡しを終えたら動きを止め、手がぶつかったか、ボールを落としかけたかを確認する。役割と通る側を替える。
ここでは速度を上げず、手の位置を合わせます。右側だけでできても、左側では手が重なることがあるので、反対側もゆっくり試してください。
段階2|受け取ったあとにドリブルする
- 渡す役は止まったまま、受ける役は軽く走って近づく。まずは進む方向を決めておく。
- 受ける役がボールを確保したあと、決めた方向へドリブルを始める。確保する前に次の動きを始めない。
- 通り過ぎた場合は、走る速さを落としてやり直す。確保できるなら、受け渡しからドリブルまでを少しずつ滑らかにつなぐ。
次に、渡す役がドリブルで受け渡し地点へ進み、いったん止まって渡す条件を加えます。初めから二人とも全速力で動かさず、渡す役の移動だけを変えてください。停止とボール保持が崩れたら、止まった渡し手から始める形へ戻します。
守備一人を加える:受けられる位置かを判断する
二人の受け渡しが安定したら、受ける役に守備一人を付けます。初めは守備がゆっくり後ろを追う条件にし、攻撃は受け渡しからドリブルまでを行います。次は、守備が先に受け渡し地点へ回る条件も加えます。これは5人制の完成した戦術ではなく、受け渡す進路があるかを見るための練習です。
守備が先に進路へ入ったときは、接触を押し通してハンドオフを完成させようとせず、一度中止して二人の位置を戻します。慣れてから、受け手が別の位置へ動き直すなど、所属チームの約束に合う選択を加えます。守備が何をするか、練習ごとに一つだけ変えると振り返りやすくなります。
渡す役がスクリーンの役割も担う場面では、守備への接触条件が別に関わります。腕や脚を広げて止めたり、動いて追いかけて塞いだりするためのプレーではありません。かける役・使う役の準備は、スクリーンのやり方と練習手順で確認してください。
失敗した時点から、一つずつ修正する
まず静止して、渡す役の上下と受ける役の横の持ち方を確認します。手の位置が合うなら、次は受け渡す高さと通る側を二人で合わせます。位置を直しながら同時に速度まで上げないでください。
受け取る前に体だけ先へ進んでいないかを見ます。歩く段階へ戻し、確保してから次の一歩を出します。渡す役が毎回ボールの位置を変えていないかも確認してください。
受け渡す前に、進む先が決まっているかを確認します。次に守備なしでドリブルまで試します。守備がいる時だけ崩れるなら、受け渡す速さより、進路が空いているかを見る段階へ戻します。
たとえば「静止の受け渡しはできるが、走ると落とす」なら、手の形を毎回変える前に受け手の速度だけを下げます。それでも落とすならボールを出す位置を確認します。「何が起きたか/次は何を一つ変えるか」を残すと、次の練習を同じ条件で再開できます。回数や時間を全員共通の合格基準にする必要はありません。
次の練習へ進む前に
止まる・切り返す動きが不安定なら、床の状態やシューズ内で足がずれていないかも確かめてください。購入を先に決めず、試着で動きを確認するポイントはバッシュの選び方を参考にできます。
練習中に痛みや無理な接触があれば止めます。ハンドオフは手渡しだけで終わらず、受けた選手が次に何をするかまでを二人で合わせるプレーです。まずボールを確保できる受け渡しを作り、その後に移動、守備、チームの選択を加えていきましょう。

