バスケットコートの大きさを調べるときは、数字だけでなく「どの線の、どの縁から測るのか」を一緒に確認しましょう。体育館にはバスケ以外の競技の線や、用途の違うバスケの線が重なっていることがあります。床に見える長方形や円弧を、すべて今回の練習に使う線だと思い込むと、コートの広さもシュートの距離も取り違えます。
この記事は、FIBA Official Basketball Rules 2024(v1.0a、2024年10月1日有効)を適用する一般5人制のコートを対象にしています。最新の全大会共通仕様を保証するものではなく、出場する大会が採用する版を確認してください。国内ミニバス、3×3、NBAや大会独自のコート寸法は同じ表に混ぜません。参加する大会や施設が別の規則を指定している場合は、その案内を先に確認してください。
2026年10月1日有効のFIBA変更概要では、Article 2にラインの色条件の見直しが掲載されています。同欄にはコートの長さ・幅、フリースロー、3ポイントの距離の変更記載は見当たりません。ただし、この資料は細かな変更や編集上の変更のすべてを含まないと明記しており、2026年版の規則全文を確認したことにはなりません。以下の寸法表は2024版に基づくものです。 FIBA2026変更概要(v1.1)
寸法を知る目的は、会場の線を自分で引き直すことではありません。使う境界を管理者や指導者と確認し、練習する位置をそろえ、別の会場へ移ったときにも同じ条件を説明できるようにすることです。まずは、使用する規則とコートの範囲を一つに決めるところから始めます。
一般5人制のコート寸法は、測定基準とセットで読む
| 項目 | FIBA2024版の寸法 | 測定の基準 |
|---|---|---|
| コートの長さ・幅 | 28m × 15m | 境界線の内側の縁から測る |
| ラインの幅 | 5cm | 境界線そのものはコートに含まれない |
| コートを含むフロア | 最小32m × 19m | コートの周囲に幅2m以上の障害物のない区域を含む |
| フリースローライン | エンドラインから5.80m、線の長さ3.60m | エンドライン内側からフリースローラインの遠い側の縁まで |
| センターサークル・フリースローの半円 | 半径1.80m | 円周の外側の縁まで |
| 3ポイントの円弧 | 半径6.75m | リングの正確な中心の真下の床上点から円弧の外側の縁まで |

出典:FIBA Official Basketball Rules 2024、Article 2.1・2.2・2.5〜2.5.4。すべてこの版の一般5人制の値です。
寸法表を見るときには、数値、起点、終点、線の縁の四つを読みます。「フリースローまで何メートル」という説明だけでは、エンドラインからなのか、バックボードからなのか、リングの中心からなのかが分かりません。同じ数字を別の起点へ移して使わないことが、最初の確認です。
また、コートの大きさと体育館の床全体の大きさは別です。バスケに使う線の外側には、ほかの活動スペースや移動する場所があるかもしれません。体育館の面積からコート寸法を推定したり、コートの線が見えることだけでその外側も使えると判断したりせず、予約した範囲を施設へ確認します。
最初に覚える名前は、長い側のサイドライン、ゴールの後ろ側のエンドライン、中央を横切るセンターラインです。名前を知っていても、線が重なる会場では取り違えることがあります。両側のゴールと線のつながりを見て、使用するコート全体を一周できるように確認してください。
複数の線がある体育館では、色だけで決めない
体育館ごとに線の色や使い分けは違います。「白がバスケ」「黄色がミニバス」のような全国共通の対応表があるものとして選ばないでください。同じ色の線が別の区画へつながっている場合も、中央のゴールと横向きのゴールに対応する線が同時に見える場合もあります。
確認する順番は次のとおりです。
- 予約した面や区画がどこかを確認します。全面か分割面か、今回使えるゴールがどれかを施設の案内で確かめます。
- 指導者や管理者に、今回のサイドラインとエンドラインを示してもらいます。色だけでなく、角の位置と線がつながる方向を見ます。
- 同じコートに対応するセンターライン、フリースローライン、3ポイントラインを確認します。別のゴール向けの線を途中で混ぜないようにします。
- 不明な線があれば、練習開始前に確認します。分からないまま「一番近い線」「一番外側の線」を選びません。
たとえば、コートを横切る線の上でシュート練習を始めた後、その線がほかの競技の境界だったと気づくと、距離の記録を比較しにくくなります。先に線を特定すれば、同じ場所から打ったかをチーム内で共有できます。会場が変わった際も、「床の赤い線」だけで説明せず、「使用するコートのフリースローライン」のように役割を添えて伝えましょう。
管理者が確認した範囲と、大会で使う規則の寸法が一致するか分からない場合は、両方を分けてメモします。練習で使える区画が、そのまま公式戦の規格を満たすという意味にはなりません。
コートの長さと幅を確認するときは、線の内側を見る
長さ28mと幅15mは、サイドラインとエンドラインからなる境界線の内側の縁を基準に測ります。ラインの幅は5cmですが、境界線そのものはコートに含まれません。一方、Article 2.2のフロアはコート外の区域を含み、最小32m × 19mです。「コートが28m × 15mだから、その大きさの床だけでよい」と読み替えないでください。
測る必要がある場合も、施設の許可を得て、活動していない時間に確認します。他の利用者が走る場所へメジャーを広げたり、床の線を隠したりしてはいけません。施設に図面やコート案内があるなら、先にその資料を見せてもらう方法が取り組みやすいでしょう。
数字をメモするときは「長さ」「幅」のラベルと、両端に使った線を残します。一方を線の外側、反対側を内側にして測ると、基準がそろいません。途中で線が交差している場合も、同じ境界線を最後まで追います。境界を変えてしまった測定は、距離がもっともらしくても比較の根拠にしないでください。
一人で数値だけを書いたメモより、「使用する一般5人制コートのエンドライン内側から反対のエンドライン内側」のように両端を書いたメモのほうが、あとから確認しやすくなります。測定した日と、確認した資料や担当者も併記します。公表するための施設検査ではなく、練習条件をそろえる確認記録です。
フリースローラインの距離は、起点を取り違えない
フリースローの距離を説明するときには、エンドライン、バックボード、リングを同じ地点として扱わないことが大切です。ゴールの後ろにある線、ボードの面、リングの中心は別の位置にあります。公式規則がどこを基準に定めているかを先に読みます。
Article 2.5.3は、エンドラインの内側の縁から、フリースローラインの遠い側の縁までを5.80mと定めています。ここで「遠い側」は、基準にしているエンドラインから遠い側です。線の長さは3.60mです。この5.80mを「リングからのシュート距離」として記録してはいけません。
練習で距離がいつもより近い、遠いと感じたら、すぐにシュートフォームだけの問題と決めつけません。使用するフリースローラインが今回のコートに対応しているか、別の用途の線から打っていないかを確認しましょう。リングの高さが違う可能性もあるため、床の距離と高さは別々に確認します。
高さの一般規格や、使用する競技区分との関係は、バスケットゴールの高さガイドで整理しています。この記事ではコートの線と距離に集中し、国内ミニバスの数値を一般5人制の表へ混ぜません。
床の線が薄い、別の線と重なっている、終点が分からない場合は、目分量で新しい位置を決めないでください。指導者が使う場所を確認し、許可なく床へテープや印を貼らないようにします。自主練の距離を変える場合も、公式ラインからの練習と、近い位置でのフォーム確認を記録で区別しましょう。
3ポイントラインは、円弧だけを見て判断しない
3ポイントラインはゴールを囲む円弧が目立ちますが、コートの端付近まで含めて確認する必要があります。床に円弧が複数あるときは、見た目の大きさだけで一般5人制に使う線を決めません。ゴールと使用するサイドラインの組合せを確認してから、対応する線を追います。
Article 2.5.4の円弧は、相手リングの正確な中心の真下にある床上の点から、円弧の外側の縁まで半径6.75mです。その床上点は、エンドライン中央の内側の縁から1.575mの位置にあります。円弧につながる直線部はエンドラインに対して垂直で、その外側の縁はサイドラインの内側の縁から0.90mです。円弧の半径を直線部の距離へ置き換えず、起点と線の形を分けて読みます。3ポイントライン自体は3ポイントエリアには含まれません。
「3ポイントはどこでもリングから同じ距離」という説明で、角付近の直線部まで決めつけないようにしてください。また、距離を知ることと、シュートが2点か3点かを判定することは別の確認です。ラインを踏んだときの扱いなどの得点ルールは、バスケの基本ルールと出場する大会の規則を参照します。
練習の記録には「正面」「左のウイング」「右のコーナー」などの場所と、使用した線を残します。「3ポイントを何本打った」だけでは、どの位置から練習したかを後から再現できません。自分の立ち位置を毎回同じにしたい場合は、施設が認める方法で位置を共有し、床への無断の書込みや貼付けをしないようにします。
会場を変えても使えるコート確認メモ
練習を始める前に、次の項目を一枚にまとめると、誰が何を確認したかが分かります。空欄の項目は推測で埋めず「要確認」として残しましょう。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 競技規則 | FIBA2024適用の一般5人制か、別の大会条件か |
| 使用範囲 | 施設名、予約した区画、使うゴール |
| 境界 | 使用するサイドラインとエンドラインの色・角の位置 |
| 主要ライン | 対応するフリースローラインと3ポイントライン |
| 距離の基準 | 確認資料の数値、起点、終点、線の縁 |
| 練習位置 | 今回打つ場所、公式ラインからか別の練習位置か |
| 確認状況 | 確認日、確認した資料、管理者・指導者へ残る質問 |
メモは、公式のコート検査や大会承認の代わりではありません。施設の図面や説明と食い違うところがあれば、家庭や選手だけで正誤を決めず、利用先へ確認します。練習前に全項目を細かく測り直す必要もなく、まず使う境界と主要ラインが同じコートに対応しているかを確かめることが目的です。
同じ会場を使い続ける場合でも、別の面を予約した日、使用するゴールが変わった日、大会の規則が変わる日は見直します。以前のメモをそのまま使うのではなく、変わった項目だけを確認すると負担を抑えられます。
用具は、使用する規則と施設条件を確認してから
コートの寸法が一般5人制でも、どのボールを使うかは別の指定です。大会や練習クラスで使う号数を確認し、コートの広さだけでボールを選ばないでください。ボールのサイズ・号数ガイドでは、規格と選び方を整理しています。今持っている用具が使えるなら、寸法を調べたことだけを理由に買い替える必要はありません。
シューズも施設の指定や床との相性を先に確認します。コートが広いから特定のモデルが必要、ラインが滑るから新しい靴で解決する、といった判断はできません。床の状態に問題があれば、まず施設や指導者へ伝えます。用品購入より、今回使う環境と条件を明らかにすることを優先しましょう。
よくある質問
体育館のいちばん外側の線がバスケの境界ですか?
それだけでは判断できません。ほかの競技の線や違う区画の線が外側にある場合も考えられます。予約した面とゴールを確認し、管理者や指導者に今回使う境界を示してもらってください。
フリースローの線が二本あるときは、近いほうを使いますか?
近さだけで選びません。使用する規則とゴールに対応する線を確認します。別の競技区分の線を一般5人制の線として使うと、距離の比較ができなくなります。
練習場所が狭ければ、公式コートと同じ練習はできませんか?
使える区画に合わせて練習する方法はありますが、区画が公式寸法であることと同じではありません。練習する目的、移動範囲、周囲との間隔を指導者と確認し、今回の位置を公式ラインと区別して記録してください。
正しいサイズなら、会場の線を自分で直してよいですか?
施設の線や設備の変更は管理者へ相談します。利用者が許可なく貼る、書く、設備を動かすことを前提にしないでください。記事の寸法表は、会場の工事や公式検査を行うための手順ではありません。
まとめ
一般5人制のコートサイズは、数値と測定の起点・終点・線の縁を組にして確認します。複数の線がある会場では、先に使う規則、予約した範囲、ゴールを決め、それに対応する境界と主要ラインをたどりましょう。分からない線や距離は推測せず、管理者や指導者へ確認し、日付と条件をメモに残します。
参考資料
FIBA Official Basketball Rules 2024 v1.0a Article 2.1〜2.5.4、Diagram 1〜4。適用開始2024年10月1日。原典確認日2026年10月5日。

